★審査申出などをすると、勝ち目は殆ど無くなります★

先日こんな質問をいただきました。
「課税内容に納得がいかないので、固定資産評価審査委員会に
審査申出をしたいのですが、勝ち目はどのくらいありますか?」


その時の私の回答ですが、
「正直言って、殆ど勝ち目はありません」
とお伝えしました。


「審査申出は納税者に認められた権利じゃないの?」
「公正な場で、審査してくれるんじゃないの?」


確かにそうです。
納税者に認められた権利です。

しかし審議をする固定資産評価審査委員会は、
建前上は不動産鑑定士などの有識者から構成される第三者機関ですが、
その地域の価格事情に精通する不動産鑑定士の方は
役所が決定する評価額の鑑定もされているのが実情です。

また審査委員も役所が選任するということになっています。
役所の判断した行為に対して審査申出をして中立的な判定をお願いするのに
その委員は役所の選任した方が担当するって違和感を感じません?

そのため役所側が決定している価格を180度ひっくり返した
結論が出るというのはまずありえません。

私自身はこの制度自体を否定するつもりはありませんが、
サッカーなどのスポーツで喩えるならば
「アウェー」の状態であることは確かです。
勝てないことは無いけれども、難しいという状態です。



また審査申出や異議申立に至る過程は、
通常の裁判に似ています。

裁判の場合もそうだと聞きますが、
裁判に至るまでは、当事者同士で和解の妥協点を探ったりして
解決の方法を調整します。
でも全く妥協点が見いだせないと、裁判ということになります。

裁判という法廷の場になると
もう当事者双方が妥協するつもりは全くありません。
「相手が全て悪い!」として
本来の論点とは外れていても、相手に落ち度があればその点を
突いて、少しでも自分の有利になるように進めていきます。
その結果、更に泥沼に。。。ということも多々あるのです。


審査申出、異議申立も同様なのです。
「役所が全て悪い」と言って申し立てられたら
役所側も意地でも「絶対適正だー!」と言わざる得ない状況に
なるのです。
ただでさえアウェ-なのに、勝ち目はありません。



でもそんな状況になる前に、それを打開する方法があるのです。

それはまた次回に。