課税明細書と課税物件の地図を照合しましたか?

課税明細書と課税物件の地図を
照合して下さいね~と
書きましたが確認しましたか?


ちなみに私は、
「役所から課税物件の地図を
入手してきてださいね~。」
とも言いました。


「何故役所から?」
「法務局にも地図があるんじゃない?」
と思った方もいるでしょう。

何故かというと
固定資産税の課税には、
大半の市町村が法務局の地図とは
別の地図を作成しており、
それを基に課税しているケースが
あるからです。


「何で別に作っているの?」
「もしかして縦割り社会の象徴?」
と思う方も当然いると思います。
それを説明しますね。


その理由は、2つあります。
1つ目は「測量精度があまりよくないこと」
2つ目は「地図の位置照合が困難」
ということが挙げられます。


■「測量精度があまりよくないこと」
 現在法務局には下記の地図が保管されています。
  ・地積測量図
   (土地ごとの面積を計測した図面)
  ・14条地図
  ・公図

 もともと法務局にある地図は公図といって
 古くは明治の地租改正などで整備した地図です。

 でも当時の測量技術ですから、
 あまりあてになりません。
 しかも意図的に長さを伸ばしたり、縮めたり
 していることから、現況と合致していない
 ことが多いのです。
 そのため、土地の形状が違うということも
 しばしばです。

 そのような状況を憂慮して
 国では昭和30年後半から、
 もう一度日本全国を最新の技術で測量し直す
 「国土調査」という事業がすすめられています。
 しかしまだまだ道半ばで
 完了するには、100年はかかりそうな状況です。

 私たちも測量精度が低い地図で
 しかも現況と形が違っている地図で
 課税されたくはないですよね?


■「地図の位置照合が困難」
 これは主として公図といわれる地図
 ついての理由です。

 公図には、緯度・経度などは記載されて
 いません。
 方位も適当です。
 そして上で話したように土地の形状も
 現況と合わない。

 現在はGISが普及して、航空写真もありますので
 それと照合して事務をしているのですが、
 そんな地図では位置の照合が非常に
 大変なのです。

 また字(ごと)に地図を作成しているので
 隣の土地の字が変わると、別の図面に。。。
 図面は市町村で何千枚とあるので
 探すのも一苦労なのです。


そんな理由を背景にして
市町村では法務局の地図を現況に合うような
形で編集した図面を作成していることが
多いのです。
日本全国でほとんどの市町村が
作成しているはずです。

でも別の図面ということは、
法務局と市町村で2重で地図を管理していますので
内容が合致しないということも
起こることがあります。

そのため、確認してくださいね~と
声掛けした訳です。
大丈夫でしたか?